⑪ジビエ革について・その2

前回は猪についてでしたが、今回は鹿についてです。
鹿は牛や豚とは異なり、とても警戒心が強く神経質な性格なので、家畜にはできないと言われています。
狭い場所で管理されることを極端に嫌うので逃避したがる本能を持っていたり、広い施設や餌代等のコストに比べて得られる肉の量が少ないこともあり、色々と採算が合わないからです。
そのため流通している鹿革のほとんどは、実は狩猟や捕獲による「ジビエ革」がメインです。
(※ただしニュージーランド等の一部の国では広大な土地で放牧しながら養鹿している例もあります)
ジビエ革としての鹿革には、家畜の革にはない独自の魅力が詰まっています。
鹿革の最大の特徴は、繊維密度が高くないのに非常に細かく絡み合っている繊維の構造にあります。これにより「革のカシミヤ」と呼ばれるほど滑らかでしっとりとした手触りと、圧倒的な柔らかさを生み出します。
鹿革の最大の特徴は、繊維密度が高くないのに非常に細かく絡み合っている繊維の構造にあります。これにより「革のカシミヤ」と呼ばれるほど滑らかでしっとりとした手触りと、圧倒的な柔らかさを生み出します。
もちろん鞣し方にもよるのですが、実際に触れた方でしたら、牛革と比べ少しフカッとした柔らかさや弾力を感じるのではないでしょうか。
軽さと柔軟性を備えながらも引き裂き強度が高いことから、日本では古代から甲冑や武具に重用されてきました。
自らの油分を保ちやすいため通気性が高く、水に濡れても硬化しにくいなど、日常使いに適した機能性がありますので、現代ではジャケットやバッグ等に使われることが多いかと思います。
鹿をはじめとする野生鳥獣による農林業被害が急増し、捕獲される量も随分と増えました。
駆除された命を無駄にしないため、鹿肉を食せる場所や機会も以前に比べて随分と増えました。
鹿革に関しても、暮らしの中で大いに利用して愛用することは地域社会を支える選択へと繋がりますし、使う人に愛着とともに自然との繋がりを実感させてくれます。
だからこそ作り手側である11DROPSも、素材を一片とも無駄にせず、大切に、そして慎重に使っていきたいと思っています。


