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皮革製品、特にハイエンドな嗜好品を作るプロセスで、どうしても避けられないのが「余り革」の発生です。
有効に活用されなければ、それらはただ廃棄されるだけの運命を辿ってしまいます。
 

かつて、業界は違うのですが、京都の建具屋さんや茨城の家具職人さん達とお話しする機会がありました。
そこで耳にしたのは、誰もが抱える共通の葛藤でした。
 「もったいないと分かってはいるけれど、余った材料は燃やして処分するしかないんです」

木材資源を取り巻く環境は、決して明るいものではありません。
世界的に見ても、森林が育つスピードと木材の需要は、常に危ういバランスの中で推移しています。
業界や扱う素材は違えど、「価値ある命(素材)を無駄にしたくないけれど、どうにもできない」というモヤモヤした悩みは、皆さん同じなのだな、と痛感しました。
 
 


そんな出会いからしばらく経ったある日、再びその木工関係の職人さんたちと顔を合わせる機会が訪れました。
 お互いの現状を改めて語り合い、何度も意見を交わす中で、自然と一つの変化が芽生えました。
「少しでも良い方向に向くように、お互いの素材を持ち寄って、何か一緒に協力し合いませんか?」

それは環境問題という大きな言葉ではなく、あくまで自分たちの手の届く範囲にある「身近な困りごと」を解決するためのささやかな約束でした。
それでも、小さく、けれど確実な一歩を踏み出せたその帰り道、温かく嬉しい気持ちで歩いたことを今でも鮮明に覚えています。
 
 
 

コロナ禍を経て、私たちの日常は一変しました。
これまで「当たり前」だと信じていたことが、ある日突然、目の前から消えてしまう。そんな現実を誰もが経験したはずです。
だからこそ私たちはもう一度立ち止まり、問い直しました。

「全ての資源には限りがあることを前提に、物作りをしていこう」
「なるべく無駄を無くし、素材の息吹を最後まで全うさせる物作りを心掛けよう」

この時に決意したことが11DROPSというブランドを立ち上げる原点であり、私たちがこれから紡いでいく物作りの約束です。