革に、日本の色を重ねる

革には、もともとの色があります。
そして、そこに色を重ねることで、新しい表情が生まれます。
Hasが向き合っているのは、革の質感だけではありません。
「色」もまた、革の美しさをつくる大切な要素のひとつです。
Hasが多くの製品に使用しているのは、イタリアで伝統的な製法によってつくられるバケッタレザー。
一般的なタンニン鞣しの革よりも時間と手間をかけ、オイルをたっぷりと含ませて仕上げられた革は、使い込むほどに艶を増し、表情を深めていきます。
その革に、Hasは自らの感覚で色を重ねていきます。
単に「赤」「青」「緑」といった色をつくるのではありません。
目指しているのは、どこか日本の風景や感覚を思わせる色。
たとえば、Hasが表現する**「SOU-KOKU」**。
そこにあるイメージは、
陽が沈む前の森。
Hasでは、その情景を思い描きながら、ハンドダイによって革を染めています。
明るいとも、暗いとも言い切れない。
光の当たり方によって、わずかに表情を変える。
自然の中にある色がそうであるように、ひとつの言葉だけでは表現しきれない奥行きがあります。
革を均一な色で覆うのではなく、革がもともと持っているシボや濃淡、質感を残しながら色を重ねる。
だから同じ色で仕立てても、一つひとつの表情は少しずつ違います。
そして、その色は完成した瞬間で終わりではありません。
手に触れる。
光を浴びる。
時間を重ねる。
革そのものが変化するのとともに、色にも艶と深みが加わっていきます。
イタリアで受け継がれてきた革づくり。
そこに、日本の風景や感性から生まれた色を重ねる。
異なる土地で育まれたものが、日髙聡生の手を通して、一つの革製品になっていきます。
Hasにとって色とは、革を飾るためだけのものではないのでしょう。
その革が持つ表情を見つめながら、
どんな色なら、その美しさを引き出せるのか。
どんな色なら、暮らしの中で長く付き合っていけるのか。
そう考えながら、一つの色をつくっていく。
革に、日本の色を重ねる。
そこには、素材をそのまま使うだけでは終わらない、Hasならではの革との向き合い方があります。

