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若い頃は、流行しているものや、気軽に手に入るものに惹かれる。
けれど、歳を重ねるにつれて、モノを選ぶ基準が少しずつ変わっていくことがあります。
たくさん持つことよりも、本当に気に入ったものを一つ。
買い替えることよりも、長く使い続けられるものを。
leather works KATSUYUKI TANAKAのものづくりには、そんな価値観が流れています。
量産するのではなく、革と向き合い、一つひとつ仕立てる。
革は、使うほどに手に馴染み、艶を増し、少しずつ表情を変えていきます。
新品の状態を保つのではなく、時間とともに自分だけのものへと育っていく。
だからこそ、選ぶときにも、長く付き合いたいと思えるものを。
その考え方を、手のひらほどの大きさに落とし込んだのが、コインケース「Delta(デルタ)」です。
着想の原点となったのは、ブランドを象徴するバッグ「ハルマ」の三角形。
そのフォルムを小さな革小物にできないか。
そんな発想から、コインケースの定番である馬蹄型の構造をもとに、何度も型を起こしては崩しながら、独自の非対称なシルエットへと辿り着きました。
特徴的な形には、デザインだけではなく理由があります。
開いたときに中身を見渡しやすく、コインを取り出しやすい構造。
手のひらに収まるコンパクトなサイズの中に、日常で使うための工夫が込められています。
装飾で価値を加えるのではなく、革そのものの表情と、形、そして使い心地で魅せる。
Deltaは小さな革小物ですが、そこにはKATSUYUKI TANAKAのものづくりに対する考え方が凝縮されています。
良いものを選ぶことは、高価なものを持つこととは少し違うのかもしれません。
自分が本当に気に入ったものを選び、丁寧に使い、時間を重ねていく。
そうしていつしか、単なる「モノ」だったものが、自分だけの一品になっていく。
長く付き合いたいと思えるものを、選ぶ。
その選択そのものが、日々を少し豊かにしてくれるのかもしれません。